紺珠

手で撫でると記憶が蘇るという紺色の玉

2015年の読書

今回は2015年に読んだ本について。 

まずは河合隼雄の「こころの処方箋」。これは病んでいる人が読めば処方箋になるし、病んでいない人でも病んでしまった時の回復術を授けてくれます。1章あたり全て4ページ構成なのも、病んでいても読み切ることができて良いところ。

こころの処方箋 (新潮文庫)

こころの処方箋 (新潮文庫)

 

 

去年亡くなった鶴見俊輔さんと大好きな重松清さんが対談形式で、教育や家族の問題について語り合うこの本も良かったです。実は鶴見俊輔さんは名前は知っていたものの、著書を読むのはこれが初めて。この一冊を読むだけで、氏の知識の深みと広さ、また何でも包み込んでしまうような人格が伝わってきます。

ぼくはこう生きている 君はどうか

ぼくはこう生きている 君はどうか

 

 

上の本がきっかけで鶴見俊輔の本を色々と読み漁っています。中でも特に下の「みんなで考えよう」シリーズは面白かったです。

これは中学生と鶴見俊輔との間で行われた議論を収録したものですが、登場する中学生はそれぞれしっかりとした人生についての意見を持っていて感心しました。またそれに応える鶴見俊輔の言葉・意見も面白い。親や先生は子どもを教育するが、子どもも親や先生を教育しないといけないとかは、鶴見俊輔がきちんと中学生の立場・目線で思考を巡らせ話しているのだなと印象的でした。

また話し言葉で書かれているのでスラスラと読めて、すっと心に入ってきます。ぜひ生徒にオススメしたいです。

 

こういう自己啓発本も読みました。確かに良いことは書いてあります。励みにもなりました。ただ、鶴見俊輔河合隼雄に比べると表面的で薄っぺらい印象。

この違いはどこから生まれてくるんでしょうかね。年齢?経験?知識?性格?いずれにせよ、織り成す一言一言に深みと重みと包容力がある鶴見俊輔河合隼雄はかっこいいです。

ちなみに同シリーズの「10代に…」も買って読んでみました。広く浅い分、高校生には読みやすいかなと思い、学級文庫に置いています。

20代にしておきたい17のこと (だいわ文庫)

20代にしておきたい17のこと (だいわ文庫)

 

 

年末から読み始めているのがこの本。

架空の青年とアドラーに精通する教授(やっけ?)との議論を通してアドラーの考えについて学べます。逆転の発想というかコペルニクス的転回というか、目から鱗の内容です。原因論ではなく、目的論で物事・人生を見ていきたいです。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

そして最後にこちらの本。

前のエントリーでも書きましたが2015年はプライベートで色々ありすぎて、お仕事、特に教科指導がなおざりになってしまい、受け身でこなす状態になっていました。

このままでは生徒に申し訳ないな、何とかしてこの状態から脱却しないといけないな、と思っていたら、この本の存在を思い出し、読み進めているところです。(実は買って以来、積読のままでした…)

寄稿された先生方の教科指導や英語教育に対する考えは違えど、全国でこんなにも英語教育について真剣に考え、頑張っている先輩や仲間がいると分かると、自然と自分も頑張らないと思えます。副題の通り、教科指導に対して引け目を感じたら何度でも読み返したい一冊です。

英語教師は楽しい―迷い始めたあなたのための教師の語り

英語教師は楽しい―迷い始めたあなたのための教師の語り


《2016/01/03追記》 
そうそう。大好きな重松清さんのこの一冊を忘れていました。小中高生の悩みに重松さんが答える一冊。自分自身に関する悩みにはじまり、友人関係や家族関係の悩みなど。中には重たい悩みもありますが、重松さんの子どもたちに向き合う真摯な姿勢が読み取れます。これも生徒に一読してほしい一冊です。

みんなのなやみ (新潮文庫)

みんなのなやみ (新潮文庫)


 

他にも色々と読みましたが、特に印象的だったものを紹介しました。

最後になりましたが、今年は月一くらいでブログを書けたらと思っています。本年もよろしくお願い致します。