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紺珠

手で撫でると記憶が蘇るという紺色の玉

講演会に参加してきました。

※ もし当エントリーで私の勤務先が特定できたとしても、口外はせずに心の中に留めておいて頂くようお願い致します。

職場でありました。放課後にありました。もう1週間前のことですが。誰の講演会と言いますと、この方です。

この方のTwitter、面白いですよね。私もよく購読しながら色々と考え巡らします。

では以下で1時間に及ぶ講演をざっくりと要約。(※『』内の言葉は全て当日のKeynoteからそのまま引用したものです。)

『やってだめなものは諦める』

"自分に向いていない事は潔く諦めて他のことに時間を掛ける方が良い。"

講演の最後にも触れておられましたが、「時間は有限資源」という考えが根底にあるようです。

若い時から100mや400mで日本一に何回も輝きバリバリ活躍されていました。ところが高校では100mで後輩に負け、世界大会の400mでは陸上ではアメフトが本職のアメリカ人に負けたことで、自分は早熟型だと気付きます。ちょうどその世界大会で小柄な選手が活躍している400mHを観戦し、「やりたいのは100m。けど勝てるのは400mH。」と考え抜き、400mHで世界一を目指そうと方向転換します。

『流行っているものは冷めて見る』

"流行りにどうしても目が行ってしまいがちだが、自分に合いそうなものを色々と試すが大切。"

大学進学の際は、「自分で練習メニューを組める」ことを条件に法政大学へ。当時100mの伊東浩司選手の練習メニューを真似たのですが、3年間のスランプに陥ります。そこで高校時代の練習メニューに戻すとスランプから脱し、4回生の時にシドニー五輪の400mHに出場します。

『人は場に染まる』

"多様な経験をし、場数を踏むこと"

を強調されていたと私は受け取っています。つまり、A-Zという色んな出来事を経験するのも大事だし、Aという出来事を何度も経験するのも大事ということです。

シドニー五輪では、日本とは違う環境(シドニーの競技場は日本と違い向かい風が強く歩数が狂ったそうです)に適応できず予選のラスト100m・9台目のハードルに引っ掛かり転倒してしまいます。「また4年か…」と思うものの、決勝に残ったのはみんな経験豊富なハードラーばかり。そこでアテネ五輪を目指すことを決意します。

シドニー五輪後は欧州での陸上選手権にも積極的に参加し、2001年エドモントンでの世界陸上では日本新記録を出し、五輪・世界選手権を通じて日本人初の短距離種目の銅メダル獲得の快挙を成し遂げます。この時はシドニーの失敗から、事前に風をチェックし歩数・歩幅に気を付けたそうです。

『期待と目標をコントロールする』

"周囲の期待・雑音には惑わされず、自律的に目標設定をする。"

エドモントンでの活躍で一気に日本中の注目を浴び、銅メダルよりも良い色のメダルを期待する周囲。そして成功体験から抜けられない自分。またまたスランプになってしまいます。

大会に出ても毎回最後の最後にカリブの選手に追い抜かれる。その理由を考えた時、そのカリブの選手は大会で稼いだお金で家族を養わないといけない「窮地」にいるのに対して、自分は会社に所属して生活が安定していることにあると結論付けます。そこで会社は辞め、スポンサーを見つけプロ選手として生きることを決意します。その後、2005年の世界陸上ヘルシンキ大会で再び銅メダルを獲得します。そして今年のロンドン五輪の出場を目指しますが、日本選手権に出ますが予選落ち。ここで引退となります。

最後に3つのことを述べられておられました。

『進み続ければ失敗は生きてくる』

『一番足りない資源は時間』

『人は必ず死ぬ、だから精一杯生きる』

講演会、本当に面白かったです。世界を相手にした話でも高校生にも響くように落とし込まれてて、夢物語ではなく現実的。けれどもスピーカーの真摯さがひしひしと伝わってきて聴き入ってしまいました。