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紺珠

手で撫でると記憶が蘇るという紺色の玉

山崎 朝子(2008)『英語教育における多読指導に関する実態調査』東京都市大学環境情報学部紀要

数研出版が発行しているChart Networkに掲載せれていた私立高校での多読指導の実践報告(PDF)を拝読しました。そこで浮かんだ疑問がこれ。

そこでGoogle Scholarで検索してヒットしたのがこの論文。

山崎 朝子(2008)『英語教育における多読指導に関する実態調査』東京都市大学環境情報学部紀要(PDF)

以下、要約やごちゃごちゃ感想など。

目的

  1. 日本の英語教育の現場でどのくらい多読指導が行われているか調査
  2. 1.より、多読授業の効果・問題点などを明らかにする

方法

  • 調査方法:アンケート
  • 調査時期:2006年10月
  • 調査対象:小中高大、高校は関東100校と関西100校を『全国学校総覧2006年版』から任意に選出

「多読」の定義

  1. 読ませる教材は学習のレベルにあったもの
  2. 教材が学習者自身が選ぶ
  3. 辞書は使用しない

しかしこの定義を小中高に当てはめると、アンケート回答のほとんどが「多読指導はしていない」となる可能性が高いとして、「教科書以外の読み物」という文言を使用したらしい。

結果(高校のみ)

  • 「教科書以外の読み物」を読ませている学校:46校(71%)
  • 教科書しか読ませていない学校:19校(29%)

  • 「教科書以外の読み物」の種類:レベル別教材、小説・物語、ノンフィクション、新聞、雑誌、インターネットからの情報、日本マンガの英語版、入試問題
  • 教科書しか読ませていない学校が今後教科書以外の読み物を読ませる予定:予定あり5校、予定なし14校
  • 上記14校が教科書以外の読み物を読ませる予定なしの理由:①生徒に読解力がない(7校)、②時間的余裕がない(4校)、③評価の仕方が分からない(3校)、④その他(8校)

感想・コメント

そもそも個人的には、「日本の公立高校で多読指導を取り入れている学校はあるのか?」という疑問から当論文を読み始めたのですが、ちょっと趣旨がずれている…私は「多読」には、①学習者自身が自分のレベルに合った本を選び、②辞書は使わない、という条件が含意されていると思っていましたが、この調査では教員が読み物を選んだり、辞書の使用が認められている場合も含まれているので…

また調査実施が6年前なので今の状況は変わっているいるかもしれません。どうなってるんでしょう?

そして最後に興味深かったのが、「教科書以外の読み物を読ませる予定がない学校」がその理由として挙げていた「評価の仕方が分からない」というものです。確かに評価基準を設定するのが難しい気がします。学習者によって読むページ数・冊数も違うでしょうし、それぞれ別々の本を読んでいるので画一化したテストを行うのも厳しい。多読指導を導入している高校は、もしそれを評定に含めているのであれば、どのように評価しているんでしょう?